薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

超低用量ラメルテオンの早め内服は遅延睡眠覚醒相障害に有効

今回読んだ論文(詳録のみ)

Ultra-low-dose early night ramelteon administration for the treatment of delayed sleep-wake phase disorder: case reports with a pharmacological review(J Clin Sleep Med. 2022 Aug 5.doi: 10.5664/jcsm.10188. PMID: 35929592)

 

東京医科大学のホームページにプレスリリースが出ていた(https://team.tokyo-med.ac.jp/omh/news/dsps-mel/)ので、その情報も足すことにします。

 

試験デザイン:症例報告

P:23人の遅延睡眠覚醒相障害(DSWPD:Delayed sleep-wake phase disorder)患者(うち18人は通常用量のラメルテオンでの治療歴あり)

I:超低用量のラメルテオンの夕刻投与(初診時平均18:10)

C:なし

O:平均睡眠スケジュール、MSFsc(睡眠中央時刻)、学校や職場への遅刻・欠席

アウトカム→真のアウトカム

 

結果

ラメルテオン用量:(初診時)平均0.653mg、中央値1/14錠→(投与後平均約40日)平均0.571mg (1/7~1/50錠)

平均睡眠スケジュール:(初診時)平日3:21~11:03、休日3:45~12:30→(投与後平均約40日)平日0:17~8:43、休日0:30~9:27

MSFsc:(初診時)7:41→(投与後平均約40日)4:46

学校や職場への遅刻・欠席:治療前100%→60.9%が著効(学校や職場への遅刻が消失)、26.1%が部分奏効、13.0%が無効

睡眠酩酊:治療前は69.6%→87.5%の症例で消失

 

→睡眠相が有意に早まり臨床症状が改善した

 

感想考察

少量ロゼレムの夕食後投与は実務的にはちらほら見ることがあり、睡眠相の前進を目的とする場合には8mg(1錠)では過量の可能性があることもなんとなく理解しているのですが、ちゃんと文献を見たことはありませんでした。

プレスリリースではなぜロゼレム8mgが過量であるかの薬理学的な考察も述べられています。

私がよく見るのは0.25錠(1/4)の夕食後投与ですが、この文献では平均1/14錠と更に少量です。

現実的に調剤するとなると、1/14錠の端数の廃棄コストや粉砕・賦形・分包の手間があり、業務的に厳しいなと思います。人手が取られて外来が回りません…

 

2022年8月16日改定