薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

論文の読み方

勉強しようと思って興味がある論文をチラチラと見てはいますが、現状知ったかぶって読めた気になっているだけで、きちんと読めていません。

ポイントをまとめてちゃんと批判的吟味をしながら読めるようになりたいなと思います。

 

 

PICO/PECO

PICO/PECOは論文からスムーズに情報を得るための考え方。アルファベットそれぞれは頭文字を集めたもので、Patient/Population(対象患者)、Intervention/Exposure(介入・曝露)、Comparisons(比較対象)、Outcome(結果)の略。

 

アウトカム

真のアウトカムか代替のアウトカムか

アウトカムには真のアウトカムと代替のアウトカムがある。糖尿病であれば真のアウトカムは合併症や死亡、代替のアウトカムは血糖値、HaA1c。高血圧であれば真のアウトカムは心血管イベント、代替のアウトカムは血圧。論文を読む際はアウトカムが真か代替かを確認することが重要。なぜなら我々の最終的な目標はHbA1cを下げることではなく死亡や合併症を減らすことだから。

 

一次アウトカムか二次アウトカムか

一次アウトカム(主要評価項目)は1つの試験で1つだけ設定される。試験のサンプルサイズは設定した一次アウトカムについての統計的過誤(αエラー、βエラー)の発生を抑えるために決められており、二次アウトカムについては想定されていない。二次アウトカムは試験の副産物としてたまたま得られた結果であり、その結果が本当に正しいかを考えた時、サンプルサイズが足りない可能性がある。結果を見る際は主に一次アウトカムを見ることが重要。

 

試験デザイン

本来はそれぞれ役割が異なるが、試験の信頼性は症例報告→横断研究→症例対照研究→後ろ向きコホート研究→前向きコホート研究→ランダム化比較試験(RCT)→メタアナリシスの順に高くなっていく。エビデンスレベルの高い二重盲検RCTやメタアナリシスの論文を読むことが重要。

→従来は上のようなエビデンスピラミッドが考えられていたが、現在はやや異なる意見も。ランダム化比較試験でも二重盲検化されていないものはエビデンスレベルが低いなど、各試験デザインの境界にやや揺らぎがある。

 

RCTのエビデンスレベルは高いが、そもそもRCTとは、ランダム化して比べてみないとその差がわからないくらいの事柄を調べるもの。明らかに一方にメリットがあるのであれば比べるまでもないし、試験が途中で打ち切られるはず。なのでRCTで有意差が出たとしても、それが臨床的に意義があるかと言われると微妙。

 

内的妥当性

検証した仮説に本当に因果関係があるかということ。試験デザインによってはバイアスや交絡因子の影響が大きく、論文そのものの信頼性が低いことがある。二重盲検ランダム化臨床試験はバイアスや交絡因子が適切に処理され、内的妥当性が高いとされている。

 

結果の解析方法

解析にはITT(intention to treat)解析、FAS(full analysis set ≒modified ITT)解析、PPS(per protocol set)解析の3つがある。

ITTは脱落者、同意撤回者など全てを含めた被験者全体を解析。PPSは最後まで治験を終了できた集団のみ。FASは間をとって、最小限の同意撤回者のみを除外したもの。

脱落者や同意撤回者などを除外すると各群の割り付けが均等でなくなり、内的妥当性が低くなってしまうため、ITT解析を行っている論文を読んだ方が良い。

 

 

簡単ですが、初心者としてまず意識するのはこんなところでしょうか。

 

2022.8.15改定