薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

ゾルピデム、ゾピクロン、トリアゾラムが睡眠随伴症状発現時に禁忌に

超短時間作用型のベンゾジアゼピンの副作用では一過性前向性健忘や夢遊症状などの睡眠随伴症状が有名です。それらは今まで添付文書上「警告」として注意喚起がされてきましたが、今後は禁忌となるようです。

なぜこのタイミングかというと、米国で非ベンゾジアゼピン系の薬剤が「複雑な睡眠行動既往患者への使用が禁忌」となったことがきっかけ。

エスゾピクロンについては、国内での睡眠随伴症状の症例の集積がないことと、その薬理的な特性から禁忌ではなく慎重投与となりました。

 

添付文書を見る限り、禁忌は「本剤により」睡眠随伴症状として異常行動を発現したことがある患者とされているため、ゾルピデムで夢遊症状→ハルシオンへ変更、のようなスイッチングは可能と思われます。

睡眠薬半減期によって細かく使い分けられています。データ上それほど違いがない薬のスイッチングでも、変えてみると睡眠がしっくりこないことも多いです。ゾルピデムだとすぐ眠れるけど、エスゾピクロンだと寝つきの効果がいまいち、または少し眠気が残る、みたいな。ゾルピデムがちょうどいい人もいると思うので、睡眠随伴症状が禁忌となり、医師の裁量で投与が継続できなくなるのはちょっと不便かなとは思います。

夢遊症状は無意識でのことなので、その危険性を考えると禁忌はまあ妥当かなとは思いますけどね。

 

 

参考文献

  1. 薬生安発0720第1号 「使用上の注意」の改訂について 
  2. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ゾルピデム酒石酸塩、ゾピクロン、エスゾピクロン及びトリアゾラムの「使用上の注意」の改訂について  2022年7月20日