薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

4回目の新型コロナウイルスワクチンの効果について

新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種については、今までは高齢者と重症化リスクの高い方のみに限定されていましたが、第7波の到来で医療従事者、高齢者施設のスタッフへの拡大の方針が発表されました。4回目の効果のほどはいかがでしょうか。

 

文献1

Short term, relative effectiveness of four doses versus three doses of BNT162b2 vaccine in people aged 60 years and older in Israel: retrospective, test negative, case-control study(BMJ. 2022 May 24;377:e071113.doi: 10.1136/bmj-2022-071113.)

 

P:4回目接種の資格を得た60歳以上のMaccabi Healthcare Servicesのメンバー

I:BNT162b2(=トジナメラン=コミナティ)4回目接種

C:ワクチン3回のみの接種

O:3回接種のみと比較した相対的な感染予防効果は3週間目に65.1%でピークに達したが、その後低下し10週間目は22.0%へ。(接種後7-13日 57.7、14-20 65.1、21-27 64.0、28-34 58.1、35-41 55.0、42-48 50.2、49-55 42.5、56-62 33.4、63-69 22.0)

重症化予防効果は10週全てを通して高い水準(>72%)を維持。接種後7~10週目の相対的な重症化予防効果は86.5%。ただし重症化は稀な事象で、両グループの1%未満にしか発生していない。

 

文献2

Efficacy of a Fourth Dose of Covid-19 mRNA Vaccine against Omicron( Engl J Med. 2022 Apr 7;386(14):1377-1380.doi: 10.1056/NEJMc2202542. Epub 2022 Mar 16.)

 

P:BNT162b2の3回目の接種終了から4ヶ月経過した方

I:4回目のBNT162b2、もしくはmRNA-1273(モデルナ)投与

C:3回接種のみ

O:3回目接種から16~20週経過後はIgG抗体価が低下(2102→383)しているが、4回目の接種により投与3週間後まで抗体価が上昇している(BNT162b2:2684、mRNA-1273:3729)。中和抗体についても4回目投与により約10倍へ上昇(3回接種5か月後は野生株135.6、デルタ株57.0、オミクロン株12.7のところ、4回接種2週間後は野生株1162.0、デルタ株771.0、オミクロン株102.7)。ファイザーとモデルナでの差はなし。若い健康な医療従事者に対してのワクチンの効果はわずかな可能性と示唆。

 

文献3

Fourth Dose of BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Setting(N Engl J Med. 2022 Apr 28;386(17):1603-1614.doi: 10.1056/NEJMoa2201688. Epub 2022 Apr 13.)

 

4回目接種から7~30日後の、PCR陽性SARS-CoV-2 感染予防効果は45%、症候性SARS-CoV-2の感染予防効果は62%、入院予防効果は68%、重症化予防効果は62%、死亡予防効果は74%。

 

→4回目接種による感染予防効果、重症化予防効果はあるようですが、感染予防効果は比較的短期間で低下し、1~3回目ほどのパンチ力はないようです。重症化予防効果は長期間継続し有効です。第7波の爆発力はすごいので、一時的に予防効果を高める目的での接種はありだと思います。時間経過で下がった抗体を少しの間ですが戻せることは確かですしね。