薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

プレドニゾロン(PSL)誘発性の食後高血糖はPSLの分割投与とグリニド and/or α-GIで改善

 

今回読んだ論文

Early diagnosis and treatment of steroid-induced diabetes mellitus in patients with rheumatoid arthritis and other connective tissue diseases(Mod Rheumatol. 2014 Jan;24(1):52-9.doi: 10.3109/14397595.2013.852855. PMID:24261759)

PubMedではFree articleになっていたのですが、現在全文は有料となっているようで、残念ながら抄録しか読むことができませんでした。

 

概要と考察

関節リウマチ、結合組織病でプレドニゾロン(PSL)を内服している患者の食後高血糖に対する、PSLの分割投与とナテグリニド、アカルボースの効果を検証した論文。安定した用量のPSLを服用した14人の患者のうち5人が、HbA1c上昇なく昼食後の食後高血糖(200 mg/dl超)を示しました(全患者は78名)。PSLの分割投与、ナテグリニドと(もしくは)アカルボースの投与により食後高血糖は大きく改善したと。

 

以前ステロイドを使用した神経ブロック注射後の数日間だけシュアポスト(レパグリニド)やグルファスト(ミチグリニド)を投与する処方を見たことがあります。ステロイド投与による血糖上昇を抑える目的があるのはわかりましたが、はっきりと処方意図を理解していませんでした。この論文は内服ステロイドの食後高血糖をグリニド、α-GIが改善するということで、ある程度関連があるかなと感じて備忘録代わりにすることとしました。

神経ブロックでは局所麻酔薬(塩酸リドカインなど)を用い、神経の炎症や絞扼が強い場合はそこにステロイド(デポ・メドロールやケナコルトなど)を添加します。ただし懸濁性ステロイドを用いた頸部神経根ブロックにより小脳・脳幹部梗塞を生じた例も報告されており、安全性は保障されていません(1)。

ステロイドを使用した神経ブロックでは血糖値の上昇リスクがあると言われています。今回の論文は内服ですが、ステロイドによりHbA1c上昇を伴わない食後高血糖が見られています。数日間だけグリニドを投与して意味あるのかなと思っていたのですが、ある程度臨床的な意義はあったのかもしれません。

 

参考文献

  1. 懸濁性ステロイド剤を用いた頸部神経根ブロックにより小脳・脳幹部梗塞をきたした1例 日本ペインクリニック学会誌 17 (1), 25-28, 2010