薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。主に勉強したことの備忘録(薬や病気)、たまに趣味などについてゆるめに書いていきます。

ピーゼットシー(ペルフェナジン)の特徴など

ピーゼットシー(ペルフェナジン)は第一世代の定型抗精神病薬で、フェノチアジン系に分類されます。「定型」とはドーパミンD2受容体遮断を主な作用とする薬剤のこと。フェノチアジン系には他にクロルプロマジンレボメプロマジンフルフェナジンなどがあります。

 

ペルフェナジンは古い薬剤のため、受容体プロフィールを調べてもあまり詳しく出てきませんが、(1)にKiが記載されていました。参考にするとプロフィールはこんなところでしょう。

4+:D2

3+:5-HT2A、H1

2+:α1A、D1、D4

+:5-HT2C、5-HT1A、α2A

パッと見で思うのは、幻覚妄想に対する効果が強そうなのと、睡眠補助としても優れていそう、悪く言うなら眠そう、という感じでしょうか。

 

ペルフェナジンは強いD2遮断作用から、その昔に妊娠悪阻にも使われていたことがあるそうです。現在も吐き気への適応としては術前・術後の悪心・嘔吐、メニエール症候群があります。でもメニエールへのピーゼットシーの処方は外来では見たことありませんね。

精神科領域でも制吐作用が利用されるようです。受容体プロフィールからも読み取れる軽い抗うつ作用、抗不安作用と強い制吐作用を利用し、心因性の吐き気に使用されるようです。

 

相互作用ではパロキセチンとの併用に注意です。ペルフェナジンはCYP2D6で代謝されますが、パロキセチンはCYP2D6の阻害作用を持つため、併用により血中濃度上昇、有害事象発現の恐れがあります。パロキセチンは(2)でCYP2D6の強い阻害薬(相互作用を受けやすい基質薬の AUCが 5倍以上に上昇)とされていました。

(3)の文献によるとパロキセチンはCYP2D6の活性を1/2~1/21に低下させ、ペルフェナジン血中濃度を2~13倍に増加させるとされています。

併用によりかなり血中濃度が上がるようですが、両者は併用禁忌ではなく併用注意です。これはおそらく添付文書の規定の問題で、最小規格の2mgを投与し、パロキセチンを併用した場合、血中濃度が上昇しても添付文書上の用法用量相当に収まることから、禁忌には該当しないのだと思われます。とはいえメーカーとしては併用禁忌レベルとのことです。

 

参考文献

  1. Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of THERAPEUTICS twelfth edition
  2. 「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」の公表について
  3. Paroxetine potentiates the central nervous system side effects of perphenazine: Contribution of cytochrome P4502D6 inhibition in vivo(Clin. Pharmacol. Ther. 1997;62(3):334-347)
  4. ピーゼットシー糖衣錠 インタビューフォーム