薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

薬物動態の線形2-コンパートメントモデルについて

薬物動態を考える1つの方法にコンパートメントモデルというものがあります。コンパートメントとは「区画」、「仕切り」などという意味で、人間の体を簡単に区画としてイメージするという考え方です。分布容積の考え方と似ています。代表的なものに1-コンパートメントモデル、2-コンパートメントモデルがあります。1-コンパートメントモデルではヒトを1つの区画(血液のみ)として、2-コンパートメントモデルでは2つの区画(血液と組織)として考えます。

 

図1:2-コンパートメントモデル

 

薬が投与されると徐々に吸収され、体外へ排出されながらも血液区画、組織区画へと分布されていきます。始めは血液から組織への移行が起こるため血中濃度が急激に減少していくように見えます。その後血液と組織間での移動が平衡状態となり、血液から排泄された分の薬剤が組織から徐々に戻ります。一般的には組織への移行よりも排出の方が遅いので、始めは急激に、後からゆっくりと血中濃度が低下していく血中濃度推移を示します。

 

 

図2:内服2-コンパートメントモデルの血中濃度推移

 

分布相αでは薬物が組織に完全に分布しきっていないため、ここでの薬物動態パラメータは意味がなく、参考になりません。意味があるのは消失相βのパラメータで、この消失相の血中濃度が作用部位の薬剤濃度を反映するものと思われます。

 

2-コンパートメントモデルに従う薬物には、ジゴキシン、シクロスポリン、バンコマイシンなどがあります。