構造
アメナメビル開発前の化合物は血清タンパク結合率が高く、また強いCYP3A4阻害作用を持っていた(薬剤は遊離型にならないと組織に移行できないため、タンパク結合率が高いと十分な薬効を発揮できない)が、上図に示された置換基を導入することによりそれらの影響を改善することができ、アメナメビル開発に至った
作用機序
ヘルペスウイルスのヘリカーゼ・プライマーゼ複合体に作用しDNA依存的ATPase活性、ヘリカーゼ活性、プライマーゼ活性を阻害することによりDNA複製を阻害する
効能・効果
用法・用量
1回400mg(2錠)を1日1回食後 7日間
※ウイルスが盛んに増殖している時期に投与しないと意味がないため、発病早期(皮疹出現後5日以内)に投与を開始する
※食事の影響を受けるため食後投与(800mgを単回経口投与した場合、食後は空腹時に比べCmax155.44%〔133.58-180.89〕、AUCinf192.38%〔167.04-221.57〕)
禁忌
過敏症、リファンピシン併用(相互のCYP誘導作用にて両者の薬効が減弱)
副作用
β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、α1ミクログロブリン増加(近位尿細管障害の指標)、フィブリン分解産物増加(血栓性血小板減少の指標)、QT延長(ただし催不整脈作用は示されていない)
→腎障害、心血管系事象、血小板減少は重要な潜在的リスクに指定
排泄
主要な排泄経路は糞中(74.6%)
特徴まとめ
- 1日1回でよいのでコンプライアンス維持しやすい
- 食後投与
- 既存の治療薬(バラシクロビルなどの核酸アナログ)と作用機序が異なるため交叉耐性を示さないと考えられる
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主な排泄経路が糞中のため腎機能が低下した高齢者に投与しやすい
- CYP3A4、2B6の誘導作用あり
(処方)
アメナリーフ錠200mg
1回2錠(1日2錠) 分1 朝食後 7日間
カロナール錠200mg
1回2錠(1日6錠) 分3 毎食後 7日分
スタデルム軟膏5% 10g
1日1回塗布 こすらないように