薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

2回目のコロナウイルスワクチン(BNT162b2=コミナティ)接種において解熱剤の使用と副反応の発熱の強さは抗体反応に影響するか

コロナウイルスワクチンの接種後副反応には一般的にアセトアミノフェンやロキソプロフェンなどの解熱鎮痛薬が使用されているが、解熱鎮痛薬は炎症反応を抑えることで免疫反応を抑制し、抗体の産生を妨げる可能性がある。

この研究ではBNT162b2(コミナティ)を2回接種した後のIgG力価を測定し、ワクチン接種者の背景や副反応、解熱鎮痛薬の使用などが抗体の力価に関係するかを調べている。

ワクチン接種前の血清は262人から得ることができ、IgGの幾何平均力価(GMT)はカットオフ値の50.0 AU/mLを全員が下回っていた(0.28 AU/mL;95 %CI, 0.22–0.35)。ワクチン接種後のGMTは8,814 AU/mL (95 %CI, 8,188–9,487)だった。IgG力価に関連する要因としては、性別(女性で高い)、年齢(若年で高い)、職業(医師以外で高い)だった。

IgG力価に関連する副反応としては、1回目では発疹のみだった(発疹なしの方が高い p = 0.011)。2回目では発熱の強度(熱が高い方が力価が高い p < 0.001)、 倦怠感(p = 0.006)、頭痛(p = 0.017)、悪寒(p < 0.001)だった。また2回目の接種では解熱鎮痛薬を使用した方がIgG力価が高かった (p = 0.017) 。

性別(男女)、年齢(~39歳、40~54歳、55歳~)でそれぞれ区分した場合、55歳以上を除き、副反応の発熱の症状が強くなる(<37℃→37~37.9℃→38℃≦)ほど抗体の力価は高かった。

2回目の接種に関して、解熱鎮痛薬を使用した場合、しなかった場合のGMTは9,458 AU/mL、8,304 AU/mLで有意差はなかった(p = 0.083)。服用された解熱鎮痛薬はアセトアミノフェン、ロキソプロフェン、イププロフェン、アセチルサリチル酸、メロキシカム、イソプロピルアンチピリンだったが、アセトアミノフェン単独、ロキソプロフェン単独、アセトアミノフェンとロキソプロフェン併用、その他を比較した時、GMTに有意な差はなかった。

解熱鎮痛薬を服用する時間については、1回目と2回目いずれも、接種後6時間未満、7~24時間、25時間以上で有意な差はなかった。

38℃以上の発熱があった場合、解熱鎮痛薬を使用した群は使用しなかった群と比べてGMTが低かったが、有意差はなかった(12,586 vs 15,045)。

2回目のワクチン接種後の発熱が強いほどIgGの力価が高く、また解熱鎮痛薬は抗体反応を妨げずに副反応の軽減に有用とされた。

 

元文献

Relation of fever intensity and antipyretic use with specific antibody response after two doses of the BNT162b2 mRNA vaccine(Vaccine. 2022 Feb 14;40(13):2062-2067.doi: 10.1016/j.vaccine.2022.02.025. Online ahead of print. PMID: 35177298)