薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

妊娠期のコロナウイルスワクチン(BNT162b2=コミナティ)接種は新生児へ影響しない

2022年2月にJAMAに掲載されたイスラエルでのコホート研究。BNT162b2(≒コミナティ)の臨床試験では妊娠は除外されており、胎児への安全性は把握できていない。この研究では妊娠期のワクチン接種による新生児、乳児への有害事象を検討している。

N数は24288(新生児)で、そのうちワクチンに曝露されたのは16697人だった。第1三半期の曝露が2134、第2三半期の曝露が9364だった。

主要評価項目は早産、SGA(在胎不当過小児:在胎期間相当の体格よりかなり小さく生まれた新生児の状態)、探索的評価項目は先天性奇形、入院、、光線療法を必要とする黄疸、死亡。

早産、SGAについてはワクチン接種群、ワクチン未接種群で実質的な差はなかった(相対リスク(RR)は早産0.95、SGA0.97)。入院リスクも新生児(RR = 0.99)、新生児後(出生28日後~、RR = 0.95)で差はなかった。光線療法は有意な差はなかった (RR = 1.24, 95% CI, 0.95-1.63)。

死亡率は両群で低く、非曝露群で8人(0.1%)、曝露群で22人(0.1%)だった。曝露群の22人のうち第1三半期のワクチン接種は4人、第2三半期は14人、第3三半期は4人だった。非曝露群の8人のうち5人、曝露群の22人のうち12人は早産だった。

第1三半期のワクチン接種とワクチン未接種を比較すると、早産 (RR = 0.87; 95% CI, 0.67-1.12)、SGA(RR = 1.14; 95% CI, 0.92-1.40)で差がなかった。先天性の奇形(RR = 0.69;95% CI, 0.44-1.04)、心奇形(RR = 0.75;95% CI, 0.43-1.26)で差がなかった。心室中隔欠損症、卵円孔開存以外の心奇形はワクチン接種群で低かった(RR = 0.46;95% CI, 0.24-0.82)。入院(RR = 0.86)、死亡率は差がなかった(RR = 0.69)。

 

元文献

  • Association of BNT162b2 COVID-19 Vaccination During Pregnancy With Neonatal and Early Infant Outcomes(JAMA Pediatr. 2022 Feb 10;e220001.doi:10.1001/jamapediatrics.2022.0001. Online ahead of print. PMID: 35142809)