薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。勉強したことの備忘録(薬や病気)やたまに趣味などについて気の向くままに書いていきます。

プロテインはチラーヂンの吸収を低下させる

海外での症例報告。

34歳女性。軽度甲状腺機能低下症にてレボチロキシンを125μg/day内服し、3年間TSHは基準値内で安定していた。

2019年4月はTSH1.6 mIU/Lで安定していたが、11月に12.5 mIU/Lへ上昇、直近1ヶ月間の軽度の甲状腺機能低下症状を訴えた。朝の空腹時にレボチロキシンを内服し、1時間の間隔をあけて朝食を摂取。飲み忘れもなくコンプライアンスは良好だった。

併存疾患や下痢・嘔吐などの体調変化はなく、4月~11月の間に起こった生活習慣の変化はプロテイン摂取のみだった(2ヶ月前より、毎日朝食30分後に1回分を摂取)。

レボチロキシン125μgの内服継続とともにプロテインの摂取中止を指示したところ、2020年1月にTSHは正常値に落ち着いた(TSH1.7 mIU/L)。

機序としては、ホエイプロテインによる胃内容物排出速度の遅延、回腸の有機アニオントランスポーターの阻害、添加されているパパイン、大豆レシチンなどの影響が推測される。

 

感想

チラーヂンについて専門的に細かく勉強したことはないのですが、食事の摂取など細かい生活習慣によって効果が変動してしまうみたいだと話を聞いたことがあります。

チラーヂン内服中のプロテイン摂取は不可、という訳ではないと思いますが、病状が悪化した場合の原因の1つとして頭にいれておいても良さそうです。

この症例報告だとチラーヂン内服1時間半~2時間後のプロテイン摂取で吸収に影響が出ています。消化吸収を考えると、朝にチラーヂン内服、昼~夜にプロテイン摂取なら大丈夫でしょうか?筋肉的にその時間のプロテイン摂取でよいかはわからないですが笑

 

参考文献

Over-the-counter protein supplement resulting in impaired thyroxine absorption in a hypothyroid patient(Endocrinol Diabetes Metab Case Rep. 2021 Jul 19;2021(21-0070):21-0070.doi: 10.1530/EDM-21-0070. PMID: 34280893)