薬剤師の気ままブログ

精神科門前の管理薬剤師。主に勉強したことの備忘録(薬や病気)、たまに趣味などについてゆるめに書いていきます。

COVID-19薬物治療まとめ(2022.2.18)

内服薬の承認に伴ってCOVID-19の薬物治療がアップデートされたようです。

 

 

重症化リスクを有する軽症~中等症Ⅰ

ゼビュディ(ソトロビマブ)

作用機序:完全ヒト IgG1 モノクローナル抗体SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)上のアンジオテンシン変換酵素 2(ACE2)受容体結合部位とは異なる部位に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性を誘導。

投与:500mgを単回(点滴静注)

発症後使用までの推奨日数:5-7日以内

omicron株への有効性 :○

入院or死亡の相対リスク減少率:85%

主な副作用:Infusion reaction

 

ロナプリーブ(カシリビマブ/イムデビマブ)

作用機序:完全ヒト IgG1モノクローナル抗体SARS-CoV-2 のスパイク糖タンパク質を認識し、SARS-CoV2 の宿主細胞への侵入を阻害することによりウイルスの増殖を抑制。カシリビマブ、イムデビマブは それぞれスパイクタンパク質の異なる部位を認識する。

投与:それぞれ 600mg を単回(点滴静注)

発症後使用までの推奨日数:7 日以内

omicron株への有効性 :×

入院or死亡の相対リスク減少率:70%

主な副作用:Infusion reaction

 

ベクルリー(レムデシビル)

作用機序:RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬

投与:初日200mg、以後100mgを1日1回(最大10日間 点滴静注)

発症後使用までの推奨日数:7日以内

omicron株への有効性 :〇

入院or死亡の相対リスク減少率:87%

主な副作用:肝腎障害、徐脈、Infusion reaction

 

ラゲブリオ(モルヌピラビル)

作用機序:RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬

投与:800mgを1日2回 5日間

発症後使用までの推奨日数:5日以内

omicron株への有効性 :〇

入院or死亡の相対リスク減少率:30%

主な副作用:下痢、悪心、頭痛

妊娠禁忌(服用中と服用後 4 日間の避妊推奨)

 

パキロビッド(ニルマトレルビル/リトナビル)

作用機序:ニルマトレルビルはSARS-CoV-2のメインプロテアーゼを阻害。リトナビルはニルマトレルビルの代謝を遅らせる目的で併用

投与:300/100mgを1日2回 5日間

発症後使用までの推奨日数:5日以内

omicron株への有効性 :〇

入院or死亡の相対リスク減少率:89%

主な副作用:味覚障害、下痢、高血圧、筋肉痛

相互作用に注意が必要

腎障害では投与量の調整が必要

 

 

中等症~重症

ベクルリー(レムデシビル)

投与:5~10日間

入院or死亡の相対リスク減少率:45%(低流量酸素のみでは71%)

既に挿管や高流量の酸素投与に至った重症例では効果が期待できない可能性が高いが、そこまでに至らない酸素需要のある症例では有効性が見込まれる

その他は重症化リスクを有する軽症~中等症Ⅰの項を参照

 

デカドロン(デキサメタゾン)

作用機序:コルチコステロイドの抗炎症作用によって、肺障害および多臓器不全をもたらす全身性炎症反応を予防、抑制する。

投与:6.6mgを1日1回点滴静注or6mgを1日1回内服 10日間

発症後使用までの推奨日数:7日以内

入院or死亡の相対リスク減少率:12%

主な副作用:電解質異常、白血球増多

妊婦・授乳婦では代替としてプレドニゾロン40 mg/日を考慮

酸素投与を要さない患者への投与は推奨しない

 

オルミエント(バリシチニブ)

作用機序:JAK1 、JAK2 活性阻害による抗炎症作用によりCOVID-19患者での炎症マーカーの調整不良を回復させる。またNAK ファミリー(AAK1、BIKE、及び GAK)を介したSARS-CoV-2の受容体介在性エンドサイトーシスを阻害する。

投与:4mgを1日1回 14日間

発症後使用までの推奨日数:入院後3日以内 

入院or死亡の相対リスク減少率:38.2%

主な副作用:悪心、腹痛、LDLコレステロール上昇

レムデシビルとの併用が必要

結核(抗酸菌)のスクリーニングを考慮

腎障害では投与量の調整が必要

妊娠禁忌

 

アクテムラ(トシリズマブ)

作用機序:ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体。IL-6Rに結合することで、IL-6とIL-6Rの結合を阻害し、IL-6の作用を抑制し免疫抑制作用を示す。

投与:8mg/kgを1日1回 1日間(点滴静注)

発症後使用までの推奨日数:7日以内

入院or死亡の相対リスク減少率:11.4%

主な副作用:上気道炎、肝障害、白血球減少 

ステロイド薬との併用が必要

8時間以上の間隔を開けて1回の追加投与が可能

結核(抗酸菌)のスクリーニングを考慮

 

 

※入院or死亡の相対リスク減少率については各薬剤vsプラセボの結果であり、有効性は薬剤間で直接比較できない。

 

 

箇条書きでまとめましたが元文献の方が表になっていてわかりやすいかもです。

 

 

参考文献、引用

一般社団法人 日本感染症学会

COVID-19に対する薬物治療の考え方 第13.1版